本当の音読は「つまる」べき
2016/07/13
もちろん、この場合「言葉につまる」ということである。
もし、生徒が「全部スラスラ読めるよ」と言っているのなら
このような質問をしてみたらいい。
「キミ、全部の意味がわかって読んでるの?」と。
生徒の大半は「いいえ」と答えるはず。
つまり、
音読ができるということは
ただ「読むのがうまいから」なのであって
「文章の意味が分かっているから、読めるわけではない」ということなのだ。
ではいったい、音読とは何なのか?
「音読は何に効果があるというのか?」
「文章のすべすべての意味が分かっているということが確かめられないのなら、音読とはほかにどんな使い道があるというのだろうか」
音読に関しては、こういうことを以前から考えていた。
私が「音読のためのワークショップ」で出した結論はこれ。
「わからないことがわかることを確かめるために音読してもらうこと」
文中のわからないところをあぶりだす一つの方法として
「音読」を使用する、これが限界だと思った。
そして、もうひとつだけ「音読に意味がある」とすれば
「すべてがわかっている」
「すべての知らなかった語句がきちんと頭に入っている状態を確かめる」
際の一つの方法として「音読」は存在しうる、というものだ。
こうした「音読」を使用すべき状況としては
「要約以前に、語彙力を高める必要がある場合」や
「語彙以前に、基本となる言い回しを知らない、そもそも文章をほとんど読んだ経験がない場合」
というひどく極端に、「国語に触れていない」生徒のスキルアップのため、かと思われる。
つまり「わかっているわかっていない」まで
誰も確かめてこなかった生徒さんを救うために、である。
私は塾講師として、その最低限の責務は果たしたいと考えている。
この手法は、講師としての責任をとるためのメソッドなのだ。
これ以上は話せない。※
※と、最後は言ってますけど、
この記事の6年後に書いた「入試国語力をつける奇跡のメソッド」(エール出版社刊)で、
本文中にある、「音読のためのワークショップ」(この時期に年6回行った)の内容を「ナレーション読み」というメソッドにまとめています。
瞬時に読解力がアップする方法ですので(読みやすく、アタマに内容がスラスラ入る)是非お試しください(^ω^)
ヒサオ'
写真は、親子で特訓中の様子。お母様が 気づいた点を熱心にメモしている。東京本部校にて
(※当記事は過去にブログなどに掲載し反響を呼んだものを厳選して再掲しています。時間表記は掲載当時のままとなっています。)
この記事を書いた人

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1969年生。
本名、山本尚志 (やまもと ひさし)。
東京学芸大学芸術文化課程書道専攻卒。
在学中から高校生に「入試に勝たせるための」英語学習法を確立することを決意。
大手個別指導塾の教室長勤務ののち’95独立。
現在まで「個別指導ジール」山本ヒサオ'塾長として、十数年間広島と日本各地で個別指導を実施。
著書に'06.4.「ヒサオ'の英語」(南々社)、'07.7.「秘伝のセンター英語」(エール出版社)がある。
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